絵本は子供にとっては素敵な物語、大人にとっては素晴らしい教科書です(後編)
父の恩は山よりも高く 母の愛は海よりも深し
父と母から貰った恩のありがたさは山よりも高く、
前編に続き、後編もおすすめの絵本をご紹介します。
おかあさん どこいったの?
文・絵 レベッカ・コップ
訳 おーりな 由子
お話しは「このあいだ ぼくらは、 おかあさんに さようならをいった。」という言葉と雨の中たくさんの人たちが黒い傘をさしている絵から始まります。小さな男の子は母の死を理解できずに家の中を探しまわります。お気に入りのセーターも忘れていったままでいつ帰ってくるのかな?自分がいたずらばかりするから行っちゃったのかな?でもほかの子にはお母さんがいるのに!と幼いながらに一生懸命考える姿に胸が締め付けられます。そして、その後父から母の死を教えてもらい少しずつ理解し、それを家族で受け止めていきます。
男の子はお姉ちゃんと一緒にお母さんの代わりに家事も頑張ります。でもやっぱり母を思い出しては涙します。そんな時は母の笑顔を思い浮かべ懸命に生きていく姿に涙が止まりません。残された家族は大切な人を失っても”生きていかなければならない”というとても辛いテーマです。家族と過ごす今の日常を「幸せ」と感じることの大切さに気付かせてくれる。そんな一冊です。
おかあさん、げんきですか。
作 後藤 竜二
絵 武田 美穂
このお話は笑っちゃいました!
母の日に書いたお手紙にはお母さんへの言い分を思い切って書いてます。
うちの子供たちもこの絵本を真似して私に手紙を書いて渡してくれました。「いきなり100%で怒らないでください。」「頭に塗ってるやつ匂いきついです。」などなど…ブーッと吹き出してしまうほど面白い手紙でした。是非お子様から「おかあさんげんきですか。」のお手紙をもらってください。きっと面白い内容が書かれているはず♪…
おかあさん おかあさん おかあさん…
作・絵 大島 妙子
風邪をひいた女の子の為にお母さんはお薬を買いに行きます。女の子は一人でお留守番しているとどんどん不安に…。お話は女の子の不安の想像が膨らんで展開していきます。”私も小さいころこんな風に帰りの遅い母を心配してたなぁ~”とふっと思い出したり、この女の子の想像にフフッと笑え可愛らしいお話です。
ママのスマホになりたい
作 のぶみ
この絵本はシンガポールの小学生の作文『スマホになりたい』をもとに、お子様よりも親に向けた現代社会の子育てスマホ問題に着目した絵本です。子供が幼少期に母親から”見てもらえなかった” ”自分は大切にされなかった” と心が満たされないまま成長していく…と考えたら直ぐにスマホの電源を切らなくては!と慌ててしまいます。テレビもスマホも見ずに家事もできないほどいつもまっすぐに子供だけを見るのは現実的ではありませんが、いつもスマホに夢中になって子供を孤独にするのは絶対にしてはいけませんね。それが仕事であれば子供に分かるように話をして子供との時間を作る工夫は必要なのかなと思います。ここ10年で急速にスマホが普及しスマホ社会になって私たちもまだまだ見直す点があります。子供にスマホの使い方を教える前に、親が考え直さないと。と気づかされる絵本です。子供が小学生ぐらいなら「お母さんのスマホの使い方で気になるところってある?」と聞いてみるのも見直すキッカケになりそうですね。ドキッとすることを言われるかも‼
おかあさん だいすきだよ
作・絵 みやにし たつや
この絵本は子供の通っている保育園の廊下に1ページずつはっていて、足を止めて読んでいるお母さんも多かったです。
私も読んでもう一度ゆっくりと読み聞かせもしたいと思い図書館で借りました。子供たちもはじめは笑いながら見ていたのですが、どんどんお話が続いていくうちに真剣に聞いていました。最後に保育園の廊下には はっていなかった作者の言葉に我慢していた涙が溢れ、子供たちももらい泣きしていました。読み終わった後子供を″ぎゅー”っと抱きしめたくなる絵本です。
ちょっとこんなのも
きみたちに おくるうた
文 バラク オバマ
絵 ローレン ロング
訳 さくま ゆみこ
アメリカで初の黒人大統領になったバラク オバマさんが二人の娘さんたちにあてて記した、
アメリカで功績を残した人々を例に挙げて、
本を開くと、”強い愛情と日ごろからの思慮深さで、すばらしいむすめたちを育ててくれたミシェルに” とミシェル夫人への感謝の気持ちと、子供たちへの愛しい気持ちから始まります。[家族]
また、絵本に登場する人物のことを知れるので、
私があなたを選びました
作:鮫島浩二
言葉はいりません…
本読み時間は「しあわせ時間」
【絵本】は色々なことを教えてくれます。子供だけではなく大人にも。
そこには自分と重なる共感の種が沢山あるからです。子供はその種を実体験でまき、「成功」「失敗」「思いやり」「挑戦」「優しさ」など多くの芽を出し、「何事もよく考え」「 人の気持ちに寄り添える」大人と成長していきます。大人はその共感の種を持っていたことを忘れています。絵本を子供に読み聞かせをすることで種を思い出し 子供と同じようにまき 新しい感情の芽を出していく。これがきっと『大人も子供と共に成長する』ということなのだと思います。絵本は心を豊かにし彩り豊かな人生を築いていけるそんな力があると思います。
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